超音波探傷 UT レベル2 / 4択次の文は、タンデム探傷について述べたものである。正しいものはどれか。
非破壊検査(NDT)レベル2 UT過去問の解説。カテゴリ:タンデム探傷法
問題
次の文は、タンデム探傷について述べたものである。正しいものはどれか。
- 1. タンデム探傷法とは、探傷面に垂直なきずを検出するため、探触子を2個前後に配置し、一方を送信用・他方を受信用にして行う探傷法である
- 2. タンデム探傷の最小入射点間距離とは、2個の斜角探触子を向かい合わせに配置し、可能な限り接近させたときの入射点の間の距離をいう
- 3. タンデム探傷では、2個の探触子を使用するため探傷不能領域はない
- 4. タンデム探傷は、きずの見落としを防ぐため、一探触子法と同様に前後・左右・首振り走査を交えて行う
正解
1番
タンデム探傷法は、探傷面に垂直なきずを検出するため、2個の探触子を同じ向きに前後に並べ、一方を送信・他方を受信として行う探傷法(=選択肢1が正しい)
解説
① なぜ2個の探触子を使うのか
- 垂直なきずは、一探触子の斜角では反射波が戻りにくい
- 送信用と受信用の2個を同じ向きに前後に並べる
- 送信→垂直きず→底面→受信、と反射をつないで捉える
② 探触子の間隔ときずの深さ
- 2個の間隔は、きずの深さで決まる(深い→広い、浅い→狭い)
- 探傷できる深さには範囲がある=探傷不能領域が生じる(3は誤り)
- 最小入射点間距離=同じ向きで最接近させたときの入射点の距離
③ 誤りの選択肢を整理する
- 2:向かい合わせはV透過法。タンデムは同じ向きに前後配置
- 3:探触子間隔が深さで決まる→探傷不能領域はある
- 4:間隔を保って走査する。自由な首振り走査はしない
なぜそうなるのか
タンデム探傷法は、厚板溶接部の開先面に沿った溶込み不良や融合不良のような『探傷面に垂直に近いきず(面状きず)』を検出するための斜角探傷法。一探触子法では、垂直なきずに斜めビームが当たっても反射波が入射方向へ戻らず(送信探触子へ戻らず)検出しにくい。そこで同一の斜角探触子を2個、同じ向きに前後に並べ、前の探触子を送信、後ろの探触子を受信に使う。送信ビームは垂直きずで鏡面反射して受信探触子へ届く。2個の探触子の間隔はきずの深さで決まり、深いきずほど間隔を広く、浅いきずほど狭くする。したがって探傷できる深さには範囲があり、浅い側・深い側に探傷不能領域が生じる(→選択肢3は誤り)。走査は探触子間隔を保ったまま行い、一探触子法のような自由な首振り走査はしない(→選択肢4は誤り)。最小入射点間距離は2個の探触子を『同じ向き』に最接近させたときの入射点間距離であり、『向かい合わせ』とする選択肢2は配置の記述が誤り(向かい合わせに置くのはV透過法)。
誤答の理由
- 選択肢2:向かい合わせに配置するのはV透過法。タンデムは2個の探触子を同じ向きに前後へ並べる。最小入射点間距離は同一方向配置で最接近させたときの入射点間距離を指す
- 選択肢3:探触子間隔がきず深さで決まるため、探傷できる深さには範囲があり、浅い側・深い側に探傷不能領域が生じる
- 選択肢4:タンデムは送受の探触子間隔を保って走査する。一探触子法のような前後・左右・首振りの自由走査はしない
まとめ
タンデム探傷=2探触子を同じ向きに前後配置 → 送信・受信で厚板の垂直なきずを捉える
関連規格:JIS Z 3060(鋼溶接部の超音波探傷試験方法:タンデム探傷)/JIS Z 2344(超音波探傷試験方法 通則)/JIS Z 2300(非破壊試験用語:タンデム探傷、溶込み不良、融合不良)。最新版は必ず原典を確認。
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