超音波は、鋼の結晶粒が大きいと、減衰が小さい。
鋼は無数の結晶粒が集まってできており、超音波が伝わる途中で結晶粒の境界ごとに反射や屈折を繰り返す。その結果、音のエネルギーがあちこちに散らばって進行方向の超音波がだんだん弱まる。これを散乱減衰という。結晶粒が大きいほど粒界での散乱が強くなるため散乱減衰は大きくなり、逆に結晶粒が細かいほど散乱は弱く減衰も小さい。つまり同じ鋼であっても、結晶粒が粗いか細かいかによって超音波の減衰の程度は変わる。問題文はこの関係が逆になっており、誤りである。
散乱減衰は周波数とも関係し、周波数が高い(波長が短い)ほど散乱減衰は大きくなる。鋳鋼やステンレス鋼の溶接部は結晶粒が粗いため超音波が減衰しやすく探傷しにくい。こうした粗粒材では低めの周波数を選んで減衰を抑えるのが基本である。
結晶粒が大きい = 散乱減衰 大 粗粒材は低い周波数で探傷
関連規格:JIS Z 2300 / JIS Z 2344
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